雄ネコの去勢をお勧めしたい社会的行動からの理由

~雄ネコの社会的行動~

ネコは食料を獲得するための充分な広さの縄張りが必要となります。ですから、最低でも自分が生きていくためには縄張りを守らなくてはなりません。当然、食料がどれだけ確保できるかによっても縄張りの大きさの変わってきます。

ポイントは食料が充分に確保できるかどうかでネコ同志の関係も異ることです。ネコ同士の争いは食料が豊富なほど緩和され、お互いが温厚で良好な関係を作っていることが分かっています。ですから、食料が充分に与えられるペットのネコ同士が最も社交的で良好な関係を保ちやすいことにもなるわけです。


~早期去勢手術で良好な関係~

とはいえ、ペットのネコたちが新入りのネコをいつでも喜んで迎え入れるとは限りません。新入りのネコとうまくやっていけるかどうかの指標の1つになるのが、血縁関係を除けば「早期の去勢手術」です。早期去勢手術をした雄ネコは、他のネコとも頻繁に接触し良好な社会的関係を築きやすいようです。私のウチには保護した雄ネコだけで8頭(その他は雌ネコ1頭にイヌ2頭、その他)いましたが、雄ネコを迎え入れるときには全て去勢をしたこともあり、概ね良好な関係を常に保てていました。


~追い出された雄ネコ同心の関係~

ネコ社会は母系制社会を基本としています。一般的に野生のネコでは3世代以上の雌ネコを中心に構成されているようです。彼女たちの大きな特徴はお互いに舐めあうことで、体をすり合わせる行動の2倍以上の頻度で行われていると言われています。オスは生後4~6か月位になり行動が荒々しくなってくると群れから追い出されてしまいます。追い出された雄ネコは先に追い出された年長の雄ネコと緩やかな関係を築きます。そして、縄張りの共和国を彼らで作り上げていきます。自分たちが守るべき共和国の境界を越えて侵入してくる他のネコに対しては、一丸となって排除しようとします。もちろん緩やかな雄同士の関係は食料が豊富な時とそうでない時では関係の深さが違ってきます。食料が豊富な時は争いも少なく、お互いが行き来した良好な同盟関係が維持されていくわけです。


~去勢は社会的交流を助長する~

野生のネコでもペットのネコでも友好な社会的交流は、雌ネコや子ネコたちです。去勢していない雄ネコでは見られない行動ですが、早期に去勢をされた雄ネコはそうではありません。地域猫にしてもペットのネコにしても、雄ネコへの去勢は社会的行動の面からも多くのメリットをもたらすことは理解していただけると思います。(ネコ同士の騒がしくゴミを散らかすなどの争いなどの緩和(適切な給餌も効果的)、尿の匂い付け行動の抑制、ツメによる傷付け行動の抑制、繁殖制限、人間との交流やペットでの多頭飼養のしやすさ、等々)

また、社会的順位制についてもネコは緩やかで絶対的なものはないようです。居場所や体調などによっても違ってくることはありますが、私の経験からペットのネコにおいては一旦彼らの関係性が落ち着いてしまえば、争いはほとんど起きることはないように思います。