肥満が多いネコやイヌ、心臓への負担は?

~心拍数と寿命との関係~

◆標準的な心臓の大きさ

持久力のないネコですが、運動をするためには酸素が必要です。そして、その酸素を含んだ血液を全身に送り出してくれるポンプが心臓です。ネコでもイヌでも哺乳類の心臓の大きさは標準体重の約0.6%です。体重5kgなら約300g、10kgなら約600gになります。


◆代謝率と体の大きさ

酸素を消費する速度のことを代謝率といいますが、この代謝率は体重に比例して減っていくことが知れれています。体重が倍にになると代謝率は倍になるのではなく1.68倍になることも分かっています。例えば、5kgで代謝率が1とすれば体重2倍の10kgでは1.68になるということです。

◆体重(体の大きさ)に比例して代謝率は下がる

“体重が2倍になると代謝率は1.68倍”=“体重が大きくなると代謝率は下がる”ということです。体重が大きくなるに従い心臓から血液を送り出す回数も少なくて良いことになります。ですから体重の重い大きな動物は心臓の鼓動は遅く、体重の軽い小さな動物は心臓の鼓動は早いのです。1分間の心拍数を調べると体重4t(4000kg)のゾウは約30回なのに対して、体重3gのトガリネズミは1000回を超える猛スピードで心臓が動いていることが分かっています。もし、ネコやハムスターなど大きさの違う動物がいるのであれば、是非、彼らの心拍数を聞いて(おもちゃの聴診器でも体験できます。)スピードの違いを比べてみてくださいね。


◆心臓への負担

さて、標準体重に適合した心臓の大きさが作られた後に肥満になってしまったらどうなるでしょう。ネコやイヌの肥満は多いものです。体重が重くなったことで酸素を必要とする筋肉の働きにも負担が生じ、結果、酸素を送り出す心臓にも想定以上の負担がかかることになります。酸素消費が追いつかなければ“息切れ”という状態になってしまいます。


◆心拍数と寿命

また哺乳類の場合、“一生に脈打てる心臓の回数は同じである”という説があります。小さい動物ほど心拍数が速いために短命で、心拍数の遅い大きな動物ほど長生きするという説です。違う考え方をすれば、いつも興奮したり心配ごとでドキドキして鼓動を激しく動かしていると寿命が縮まるということになります。あせらず怒らず心配ごとがないのが長寿の秘訣といわれることにも納得がいきますね。愛するペットたちと暮らすことで心を落ち着かせて心拍数を安定させる生活は健康維持と長寿の秘訣でもあるのです。