ネコは跡行性でスピードアップ

ネコが速く走れる秘密

~跡行性は爪先立ち~

私たち人間が歩くときは足の裏をつけて歩きますが、これを蹠行性(しょこうせい)といいます。霊長類や多くのげっ歯類に見られる歩き方で安定はしますがスピードはでません。皆さんもペタペタと歩いていますよね。

そして、走るときには爪先で地面を蹴り、接地面を少なくし歩幅を広げるとスピードがでることは皆さんも経験からご存知かと思います。実はこのスピードがでる爪先蹴りのまま歩いているのがネコなのです。踵(かかと)をあげたまま歩いているのですね。これを跡行性(しこうせい)といい、漢字で指行性と書くこともあります。イヌもこの跡行性の動物です。ネコが歩いて前進する場合には後脚による力によって前進し、前脚はブレーキの働きをして体が前につんのめらないようにバランスをとっています。右前脚は左後脚と、左前脚が右後脚と一緒に動かして歩くわけです。

更にスピードをアップして走るのであれば地面につける部分をツメだけにします。これを蹄行性(ていこうせい)といい、ウマやシカなどが代表的な動物です。走ることだけを目的にしたために5本の指は必要なくなり蹄(ひづめ)となりました。(奇蹄目は1本か3本、偶蹄目は2本か4本です。)しかし、ネコのツメは獲物を捕るための武器としてカミソリのように発達適応をしてきたのです。


~鎖骨がなく持久力に劣るネコ~

さて、ネコとイヌはどちらも跡行性の動物の動物ですが、長距離に長けているのがイヌで、単距離に長けているのネコです。そして長距離ランナーのイヌは持久力の優れた赤筋が発達し、単距離ランナーのネコは瞬発力に優れた白筋が発達しています。

また、イヌは鎖骨があるのに対して、ネコは肩と胸骨を繋げる鎖骨が浮いた状態の痕跡しかありません。浮いた鎖骨は筋肉で固定されています。

要するに肩が鎖骨で固定されていないことで肩を自由に動かせるため、大きなスライドで走ることができるのです。このこともスピードアップの要因となっているのですね。

ネコは跡行性と柔らかい関節と強靭な靭帯、そして柔軟な筋肉によって速く走れます。しかし、この筋肉にも弱点はあります。

ネコの筋肉は大きく3つに分類することができますが、そのほとんどが反応が早い瞬発型の筋肉で疲労しやすい細胞といえるのです。

この大部分を占める筋肉細胞のエネルギーはすぐに枯渇してしまうため、優れた走力やジャンプ力はあるものの持久力に劣ってしまうのです。ですからイヌよりも高カロリーの食事が必要な理由にも納得がいきますね。